V&A博物館の彫刻 |
ヘンデルの等身大の彫刻
by Louis François Roubiliac
この彫刻は等身大ということで、
当時は衝撃的だったようです。
それは、等身大の彫刻というのは
王侯貴族か英雄を描くときというのが通常の様式だったようです。
しかもこの彫刻はとてもリラックスしています。
威圧感のある彫刻でもない。
スリッパも片足は脱いでるし、
もう片方のスリッパは足からぶら下がってる。
ガウンのボタンもしてない。
公共の場でかぶるカツラもかぶってない。
部屋着のくつろいだ感じが
大理石での彫刻になっています。
ヘンデルは日本ではドイツの作曲家として知られていますが、
イギリスではイギリスの作曲家として知られています。
それは、ヘンデルはイギリスが好きでしたので、
イギリス人に帰化たからです。
ですから、イギリス人として
ウエストミンスター寺院に埋葬されています。
ヘンデルは捨て子院でチャリティーコンサートを
行なったりしましたが
自信は結婚してなかったので、子どもはいなかったそうです。
こちらは、
by Antonio Canova
アントニオ・カノーヴァが
ベッドフォード公爵の依頼を受けて作った作品です。
「三美神」
ローマ神話の三美神で、
愛、慎み、美をあらわします。
左の女神が「愛」でしょうか。
相手の顔を手で自分のほうに向けている
その手が素敵。
キスされてる女神は 「慎み」かな?
それとも、なにかささやいている?
そしてそれを見つめる「美」。
感動的に美しい彫刻ですね。
この彫刻はスコットランドのナショナルギャラリーと
V&Aがアート基金も得て、
共同で1994年に購入したものです。
£7.4 ミリオン
当時の金額で、約15億円で購入しました。
3年ごとに交代で展示します。
今年はV&Aにあります。
それから、こちら。
マシュー・コーツ・ワイアット作 1831−34年
ダドリー卿という人の愛犬バショー。等身大。
『金に糸目をつけぬ』という依頼で
大理石で彫られ、犬は50回もモデルとして座ったそう。
ダドリー卿は家にあるすべての宝石をもちだし、
犬の目として使ったりしたそうです。
犬が蛇を踏んでいます。その蛇の目もルビーかしら?
完成する前に、依頼主のダドリーさん死んでしまって、
遺族はこんなものに払う金はない っと
支払いを拒否。
マシューさんお金もらえなかったみたい。。。
この彫刻はとっても高価だったようです。
どれくらい、高価だったかというと、
その時代に、名の知れた彫刻家が作成した等身大の
大理石の彫刻の倍ぐらいの請求だったそうです。
あらぁ〜〜。。。
でも、4年も制作に時間かかってるしぃ。。。
それで、マシューさんは、買い手を見つけるため
アトリエで展示会開いたら、
人々の反応もよく、
1851年の世界初の万国博覧会にも出展。
いたって評判はよかったものの、売れず。
その後、この V&A の前身ともいえる
サウス・ケンジントン博物館に展示していたところ、
当時の芸術批評家ジョン・ラスキンにこきおろされ。。。
(この批評家ジョン・ラスキンはなんでもそうやって
斬新な作品をこきおろすんですよねっ。ひどいっ!!)
また、他の批評家からも こきおろされ。。。
ついにオークションで売られ、
4回オーナー変わって、
1960年にV&A が £200で買ったそうです。
60年代の200ポンドって
今にして、どれぐらいの価値だったんだろう。。。
そんなに高くはなさそうですね。。。。
まあ。。。博物館に展示してある分にはいいですけど、
やっぱり家においておけるような彫刻でもないです。。。ねっ。
やっと居場所ができて、よかったね、
バショー。
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