グレイ伯爵とデヴォンシャー公爵夫人 |
第2代グレイ伯爵、チャールズ・グレイの名からきています。
グレイさんは1830年から1834年まで
イギリスの首相を務めた人です。
彼は若い頃デヴォンシャー公爵夫人、
ジョージアナ・キャヴェンディッシュと不倫してたことがあり、
子どもも生まれてます。
チャールズが28歳のときにジョージアナは35歳。
生まれた娘はグレイ家が引き取っています。
その辺の話は
『ある公爵夫人の生涯』
の映画で見れますね。
で、そのデヴォンシャー公爵夫人の肖像画
デヴォンシャー公爵夫人、ジョージアナ
トーマス・ゲインズバラ作1787年
当時のファッションリーダーだったわけで、おしゃれですなー。
ジョーダンとも思えるような巨大な帽子。
髪の毛を高く結い上げる代わりに、巨大な帽子をかぶり。。。。
スマートカジュアルって言う感じでしょうか。
黒と白のコントラストがまたおしゃれです。
当時は男性は黒、女性は華やかな色のドレスを着たそうです。
ジョージアナは政治的活動もしてたので、黒のマスキュリンな装いを帽子で、
白いドレスでフェミニンな自分を表現したんだと思います。
(っていうか、すでに、このファッションは存在してたのよねー。
ゲインズバラの他の作品、この絵の2年前に描かれた作品も
これと同じファッションです。
ゲインズバラのアイデアかもしれません。。。ねっ。)
ジョージアナと同じファッションの、
ジョージアナの肖像より二年前に描かれたのが下の絵です。
The Morning Walk
The Morning Walk by Gainsborough 1785
さて、この女性たちのヘアスタイルは
ヘッジホッグ(ハリネズミ)ヘアスタイルというそうです。
それから、胸元を覆っているのは 産業革命の落とし子、モスリン。
木綿ファッションはイギリスからの流行で
フランスに渡り、マリーアントワネットが宮廷で流行らせました。
木綿と言っても決して安くはなかったのです。
さて、こちら、
白いモスリンのドレスを着たマリーアントワネットの肖像画。
マリーアントワネット
モスリンのシュミーズ・ドレスを着た王妃マリー・アントワネット
エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン作、1783年
あれ〜っ?どっかで見たような〜。
ジョージアナの肖像画とほとんど一緒。?
マリー・アントワネットは1755生まれ。
ジョージアナは1757年生まれ。と、年も近く
二人とも当時のファッションリーダーとしての交友なんかが
あったかも?
ジョージアナはパリに行ったことあるし、その時にこの絵みたかもね。
もともと、ファッションはイギリスから流行ったものだけど、
このポーズをまねて、ゲインズバラに描いてもらったのかもね。
で、ゲインズバラですが、。
再び、デヴォンシャー公爵夫人の絵を見てください。
やっぱり、彼が描くと素敵ですねー。
ジョージアナがとてもエレガントに描かれています。
背景の暗い色合いは白のドレスをきれいに浮かび上がらせます。
帽子に巻かれた白いリボンからピンクのバラの花、
そして青いリボンへの流れるようなつながり。
ピンクのバラはジョージアナのほっぺのピンク。
お肌にも潤いがあって、張りがある。
ジョージアナ30歳の時です。
柔らかなモスリンの感じや、シルクのリボンの光沢など
衣装の生地の質感表現も素晴らしいですね。
薔薇のつぼみを持つ手も、
どっか適当で、いいわー。(笑、すいません)
わたし、この絵をまだ実際に見たことありません。
1876年に盗まれたのが、1901年に見つかり1994年に
第11代デヴォンシャー公爵がサザビーズで落札して
200年をへて、デヴォンシャー家の
チャッツワース・ハウスに戻ったんだそうです。
チャッツワース・ハウス、一度、訪れてみたい!!です。
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