チョコレート |
飲み物としてのチョコレート
ロンドンのナショナルギャラリーにある、
素敵な絵。
A Lady pouring Chocolate about 1744, Jean-Etienne Liotard
この女性は何をしてるかというと、チョコレートを飲む用意をしています。
カップが二つあるので、誰かと一緒に飲むんですね。
このカップには、取っ手がついてませんね。
こんな感じ。これもチョコレートカップ。
湯飲み茶碗と同じですね。
(いつ頃からティーカップに取っ手がつくようになったんでしょうね?)
チョコレートがポットに入っていて
注ぐというよりは、蛇口をひねって出す式のポットですね。
(日本の電気ポットの感覚ですね。)
お盆に、ミルクジャーと砂糖壷がのってます。
チョコレートに入れて飲むんですね。
この、ミルクや砂糖を混ぜるということは、この時代のことで、
この絵はウィーンで描かれたそうですが、
ミルクをチョコレートに入れるのは、
イギリスで、ハンス・スローンが始めたことでした。
ハンス・スローンは大英博物館の父と言われる人です。
彼がジャマイカを訪れたときチョコレートを飲んだんですが、
『なんかむかむかするような、飲み物』と感じたようです。
でも、ミルクを入れたら、美味しいということに気づき
ヨーロッパにそのレシピをもたらしたということです。
チョコレートはアステカで昔から飲まれてたわけですが、
チリとかまぜ飲んだそうで、辛くて、苦かったそうです。
砂糖はなかったし。
スペイン人はアステカからカカオ豆を持っていき
蜂蜜や砂糖、バニラ(これも発見されたばかりで、高価)
やシナモン、胡椒など混ぜて飲み
貴族の間で大流行したそうです。それが16世紀。
それをずっとスペインでは国の秘密にしていたそうで、
ヨーロッパに広まったのは100年後の
17世紀になってから、とか。
だから、
カカオ豆をいっぱい積んだスペインの船が
イギリスの海賊船に襲われたとき
黄金がみつかるかとおもいきや、
なんか羊の落とし物みたいなものばっかり。
ものすごく怒って、その船を悔し紛れに、
焼き払ってしまったそうです。
その、羊の落とし物みたいなものが、実は、黄金と同じぐらい
価値のあるものとは知らずに。。。。。
チョコレートは17世紀になっても高価な飲み物で、
砂糖も高価でした。
着ているドレスに派手さはありませんが、シルクですね。
靴もおしゃれで、流行のバックルをしています。
17世紀のころ、オランダで流行った教会の内部の絵が
壁にかけられています。
足下にフットウォーマー。
彼女のステイタスは貴族というよりは
上流市民、アッパーミドルクラス
といったところでしょうか。
彼女はこれから、ミルクと砂糖を入れて、
美味しいチョコレートを飲みますね。
誰と?
チョコレートはアフロディジアックな飲み物
とも言われてました。
『性欲を刺激する媚薬』だそうです。
でも、彼女の表情は瞑想的です。
考え事してるみたいです。
考え過ぎなのは私のほう?
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