2014年 11月 15日
ウォレスコレクションにある一枚の絵 聖ロクス |
な、な、なんですかっ? この絵?
カルロ・クリヴェッリの 「聖ロクス」 です。
なんか変。いろいろ 変。っていうか。。。
まず、このおじさんが聖人っていうのは
頭の上に金のデスクがついているから 聖なる人なんだ というのがわかります。
ん〜〜、でもでも〜〜。
この ヘアスタイルは ちょっとないよなぁ。。。
全然、似合ってないし。。。。
へ〜〜、こんな 80年代のぶりっ子 ヘアースタルが あったんだー。
と、新鮮な驚きもありますが。
カルロ・クリヴェッリの他の絵とかも
この、少女漫画にでてきそうな ヘアースタイルで天使が描かれていたりもするので、
彼のお得意の髪型なんだね。きっと。
でも、ほんと、似合ってない!
この聖人の顔がこけているのも、 もっと老けてみえるし。
なのに、髪がフサフサっていう アンバランスかしら。?
いったい、どんな聖人でしょうか?
カソリック教会の聖人で、黒死病に対する守護聖人だそうです。
絵画や肖像では、傷を負った足を見せて立ち、
そばにはパンをくわえた犬が描かれているそうです。
犬がいる絵はこんな感じ。
クリヴェッリのは、。。。
うんうん、足に傷があるね。
でも、犬、いないし。
多分 犬は描かれていたんでしょうが、
絵が全部残ってないんですね、きっと。
だから、不自然な構図というか、。。
額縁にキツキツにはめ込まれた感じがしますものね。
祭壇画の一部だったかもしれませんね。
絵も、小さく40cm x 12cmぐらいの大きさです。
絵の他の部分は失われてここの部分は残った。。。のかな。
クリヴェッリの作品なので、
額縁を 超豪華 ! にしたんでしょうね。
絵を引き立てているんだか なんだか。。。?
聖ロクスは14世紀の頃の人物で、
胸に赤い十字のマークをつけて 生まれたそうです。
裕福な家に生まれたにもかかわらず、
財産を貧しい人々に分け与え、自分はローマに巡礼の旅にでかけました。
ローマで黒死病が流行っていた頃、
祈りや手に触れることで奇跡を起こし
人々を助けました。
そしてついには自分も感染し、森に追いやられました。
枝や木の葉で小屋を作り住んでると、
不思議なことにそこから、水が湧き出てきたり、
犬がパンを持ってやってきたり、
その犬が傷口を舐めて治してくれたりしました。
が、のち、スパイなどの疑いをかけられ投獄され
亡くなりました。
胸の母斑からロクスとわかり、聖人に祀られました。
描かれ方は
衣服をまくり上げて
腿の付け根の傷をみせます。
それは 黒死病に侵されると腿の付け根のリンパが腫れたそうですから。
その伝染病を キリストの受難の苦しみと重ね合わせて
神々しくうけとめたそうです。
なので、殉教者として
黒死病に対する聖人として祀られました。
それから犬の聖人、
無実の罪で咎められた人々の聖人でもあります。
持ち物は、投げ槍が描かれます。
ポーズは 腕を上げ、頭をかしげる だそうで、
クリヴェッリの聖ロクスは
頭をかしげて下を向いてる?
だから、顔が。。。なんか変。クシュっと縮まったような。。。
それで、。。。。
ざっくりと切れた傷口。
キリストには 下腹部にざっくりとした 傷がありましたね。
キリストの受難を思い出させます。
。。。パンツですか? ふんどしにも見えます。
腿の付け根の傷を見せないといけないので、
必然、パンツも見えますね。
それで、このタイツは、パンツと紐で結びつけるものだったんですね。
あるいは下着と?
紐をほどいて、腿 見せてます。
長いブーツのように上の方が折れてますね。
なるほどね。
当然、ズボンはこの時代ないですし
タイツも一つにつながってなかったわけですね。
全部 紐でくくる。。
衣服の脱ぎ着も たいへんでしたね。
絵のサイズといい、
描き方といい
なんか 素通りできない絵でした。
ウォレスコレクションにあります。
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by daisukilondon
| 2014-11-15 01:37
| 絵画
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