ただいま
が開催中です。リンクします。↑
ジョバンニ・バティスタ・モローニは
16世紀のころのイタリアの画家。
ナショナル・ギャラリーにも彼の絵があります。

"The Tailor"
「仕立て屋」という絵がナショナル・ギャラリーにでは有名です。
でも、ただいま ロイヤル・アカデミーに出張展示されています。
1565年から1570年頃に描かれた作品のようです。
とにかく、おすすめの展覧会です。
ガーディアン紙の批評家の
ジョナサン・ジョーンズが言ってます。
「モローニはカラヴァッジョの革命を予期させる。
カラヴァッジョと同じぐらいに有名であるべきだ。」って。
そうですね、
モローニは それほどの知名度はないと思いますが、
この機会にモローニの素晴らしさを堪能してくださいませ。
はい、堪能します。(笑)
早速、昨日、見に行ってきました。
興味深かったのは、
貴族の肖像画を展示してた部屋です。
もともと、モローニは宗教画を描いていたらしいですが、
肖像画の方がインパクトあります。
一面の壁に ブレンバティ家 (Brembati )の人々の肖像画。
向かい合わせの壁に アルバニィ家 (Albani)の人々の肖像画。
この両家はお互いにいがみ合っていて、ついには殺人事件にもなり、
アルバニィ家の当主は故郷を追放されてしまったそうです。
なんか、「ロミオとジュリエット」の
モンタギュー家とキャピュレット家を彷彿しますね。
時代もシェークスピアの時代と重なりますから、
こんなスキャンダルは国を超えて
イギリスまで噂は飛んできたでしょうから、
シェークスピアの耳にも入って、
この話から
想像力の翼が広がってお話が出来たかもしれませんね。
これらの向かい合わせの肖像画は ポーズも似ています。
衣装も超〜〜〜豪華です。
ブレンバティ家の奥方。
Isotta Brembati, c.1555.
アルバニィ家の奥方。
Lucia Albani 1556-60
座っているポーズも椅子も同じ。
背景もほとんど一緒。団扇持ってます。
かたや、緑のベルベットのドレス。
かたや、サテンのシルクのドレス。
どちらが好みかはそれは人それぞれですが、。
アルバニィ家の奥方の方が、
ファッショナブルのような。。。。
ローズピンクのサテンのシルク。
この色はこの時代の最新ファッションだそうです。
新大陸が発見されたことによってもたらされた 染めの赤を使ってます。
南アメリカに生息する
コチニールという虫を潰して染めています。
1540年頃から使われ始めたもので新しいんです。
コチニールは小さい虫。
てんとう虫ぐらいの大きさです。
これ染めるのに、どれぐらいの虫の量が位いるのかな。
それだけでなく、全般にムラなく染めるのも難しいそうですよ。
なので、とっても高価な色なのです。
そして、そこから、金の色もみえるのは
金の糸を織り込んでいるから。
下のドレスも、これまたおしゃれな色合い。
オレンジ系金色。うううーっ、おしゃれー。
白い襟や ドレスの切れ目からみえる白い生地は
清潔のしるし。
清潔の証を見せるのもリッチのなせる技。
そもそも 水が汚いんですから、
白い色を保つってのは、至難の技です。
椅子が同じデザインですが、
アルバニィ夫人の方の椅子に余裕があるので
ちょっと細身にみえますね。。。。
座り方もちょっと違うかな。
背筋を伸ばしてるのも 彼女の方が若く見えるのに
一役買ってるかも。
ヘアスタイルもおしゃれですわ〜。
う〜〜ん、
狭い世界だったんだね。
敵対する家族が同じ画家に注文してる。
モローニも心中穏やかではないのでは?
どっちからも責められてもこまるし。。。って、
お互いが絵を比べる機会などなかったでしょうから、関係ないかな?
それでは、なおさら、現在、このように、
二つの絵を比べてみることができるって、
本当、素晴らしいですね。!!!
滅多にないことですから。
興奮っっっ!!!。
なので、今日はこれにて〜。(笑)
明日、「The Tailor」の話します。
また。
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